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蕎麦とお酒のページ

◆そばとお酒の関係◆
 美味しいそば前そばとお酒は切っても切れない関係と言われております。
 皆さんも経験がおありでしょうが、お酒をちょっといただいてからの蕎麦の味はまた格別ですね。。
 ぶらりときて気楽に入れるそば屋を好む方は風流人が多いようです。一人しんみりと酒を飲む姿はそば屋にはぴたりと合います。
 静かに軽く一杯やっている粋を好んだ江戸っ子の姿が目に浮か ぶ様です。
 昔から、そば屋の店主も酒好きと言ううわさもありますが本当のことでしょうか。
 上等の酒は灘の生一本といわれた時代、店主自ら選んでこの酒を出していたそうです。酒が好きだから、酒を自分で選ぶようになったと言われております。
 このようなことから、そば屋には、昔からよい酒を出すということが言い伝えられております。
   お酒をそば通は『そば前』と呼びます。なぜ、そば前なのでしょうか。
 そば好きの人はそばを食べる前に『ちょっと一杯』とお酒を戴いてからそばを食べることからきております。
 それから、汁にそばをちょっと付けて、ズ、ズ、ズ−と手繰り(そばを食べることを−タグル−と言う)込みます。
そばと酒との関係はこのような背景があり、深まっていったのでしょうか。
 (参考文献 蕎麦の薀蓄 太野祺郎著)

◆お酒の種類と特徴◆
 日本酒は、その製法の違いで、本醸造酒、純米酒、純米吟醸酒、大吟醸酒など に分けることも出来ますし、飲んだとき、五感が感じとる香りや味わい・・薫酒、爽酒、醇酒、熟酒・・のようにも分けることが出
来ます。
 本醸造酒だから端麗とか、純米酒だから濃醇という単純なものではありません。酒蔵が作り出す銘柄によっても大きく変わります。
 当店でお客様にお出しするお酒の種類と特徴を少し説明しておきます。
 お酒の好みは人によっていろいろあります。一概には言い切れませんが、そば前には切れのある綺麗な癖のない爽酒のような純米酒が合うようです。

*本醸造酒 
   精米歩合70%以下に磨いた米と麹から作られた原酒に醸造用アルコールを加えて作られます。 本醸造酒に使用できる醸造アルコール量は、白米の重量の10%以下に制限されております。純米主などに比べて後味は短く、キレがよいのが特徴です。

*純米酒 
 精米して磨いた米と麹だけで作られるお酒です。ふくよかなお米の香りとコクのある味わいは格別で、このお酒の好む方も多いようです。

*吟醸酒 
 酒精米歩合60%以下に磨いた米と吟醸酒用の特別な酵母を使って作られた原酒に醸造用アルコールを加えて作られます。特徴ある香りと爽やかな味わいが特徴で、冷やで飲むのをお勧めいたします。

  *純米吟醸 
 純米酒と吟醸酒の特徴を兼ね備えたお酒です。華やかな香りがあるものも穏やかで味のあるものと多種多様です。

◆お酒の特徴を表す表示◆
 お酒の特徴を表示しているラベルに次のように書かれていたとします。(例は静岡の酒 国香)
特別 純米酒
日本酒度 +7.0
酸度 1.3
使用酵母 静岡HD-1
原料米 好適米 五百万石100%
精米歩合 55%
 日本酒度はプラスの数字が高いほど辛口です。+7ですので辛口の酒ということになります。次に酸度、これも数字が高いほど酸味があり、舌には辛く感じられます。
 同じ酒度の酒でも、酸度が違うと辛く感じたり、 旨味が強く感じたりと違うものです。また、飲むときの温度によっても日本酒の印象は変わります。温度が低いと端麗に感じられますし、いわゆる人肌の燗(40度前後)にすると甘みが強くなります。
 さらに、使用酵母や原料米によっても、香りと味に変化が出ます。私はあまり強くない香りで爽やかな膨らみある純米酒が好きです。
 何がそば前に合うかは自分で判断してみてください。

◆店主が飲んだ酒◆
気に入っている酒を徒然に紹介していこうと思う。
 
 ☆あずまみね 純米
 蔵元の紹介文に「南部流酒づくりの本流を受け継ぎ、岩手らしい酒作りを目指す」とあったので、思わず買ってしまった。
 利き酒用の猪口に注ぐと色は薄い琥珀色に染まっている。「あずまみね 純米」を口に中で転がす。口に含むと生もと系独特芳醇なナッツのような香りがする。
熟成感があり、 ふくらみもあり、バランスの良い美味しい酒に仕上がっているのである 。
 岩手産 美山錦100% 精米歩合55% アルコール分16%以上17%以下
 さて、蕎麦との相性であるが、熟成された玄蕎麦の挽きぐるみ全粒粉の透明感のある中に、星が飛ぶもちっとした蕎麦にはぴったりの酒である。
 
真澄 純米吟醸 生一本
 協会7号酵母発祥蔵として有名な蔵である。 諏訪大社の「真澄の鏡」を酒名にしたそうだ。
 長野の酒ははじめて飲む。最初は、常温で飲んだが、吟醸の香りも穏やかで、すっきりとした美味しい酒である。色は透明に近い。 純米吟醸酒を燗ではもったいないと思う人がいるかもしれないが、人肌にして飲むと米の香りがすっと立ち、旨味のある酒になる。
 原料米は美山錦、ひとごこち 精米歩合55% 日本酒度+5 アルコール分16%以下 。

 こちらはやや早取りした丸抜きを石臼で挽いたややグリーン系の香りあるすっきりとした蕎麦に合うであろう。